動画配信とSEO(VSEO)に関するブログで「評判管理」と一致するもの

先月に Yahoo! で順位変動してから、しばらくそのままの状態が続いているのだけれども、その中で一つ顕著な現象として、Yahoo! Japan 自身のサービスである、Yahoo!知恵袋を上位表示させていることがある。

意図的に知恵袋のパラメーターを良くしているのかはわからないが、YSTを利用した他のパートナーサイト(@Niftyなど)のSERPと比べると、明らかにYahoo! Japan で出てくる結果は知恵袋のサービスが上に来ている。

民間企業が自社のサービスの向上や収益の改善に努力することは当然なので、これが悪いとも思わない。それでも、やはり、こういう操作をあからさまにわかる形ですることは Yahoo! Japan 的にも大き目のリスクを抱えるのではないか、と思う。

それは、ひとつ前の記事にいた評判管理の問題。

Googleについては、自分自身がサービスをほとんど抱えていない(Youtubeは別として)こともあって、公式見解として
「Googleに文句を言う前に、まずはサイトオーナーに文句言ってね」
ということをさらりといえるのだが、Yahoo! Japan サービスの場合はそれが言えない、ということだ。

OK Wave やYahoo! 知恵袋のようなサービスは、見も知らずの人が善意で質問に答えてくれるという大変なメリットがある半面、劣悪な感情を共有する場所としても利用されていたりする。

たとえば、TVCMを大量に流していたり、ネットで求人を出している企業のイメージに対して、Yahoo!知恵袋で、
「どこどこ(会社名)なんですが、あれってなんだかむかつきません?」
というどうでもよい質問に対して、共感意見が次々と付いていくという形で、返信が伸び、SEO的にも上位に来やすいページになるということである。

その意味では、最近プレゼンスが上がっているこういった質問サービスも、良い面、悪い面どちらの面からみても 2ch と大差はない(ログインしている分、少しマイルドなだけ)と個人的には思う。

実際に、テレビに積極的にCMを出稿していたり、ネットその他で求人を多く出しているいくつかの企業の「企業名」そのもので Yahoo! Japanで検索してみると、その結果として Yahoo!知恵袋での「なんだかむかつく」、「あそこは評判悪い」という全く根拠のない意見の書かれたページがドーンと上位に来ていたりしている。

これは、Yahoo! Japan としては、全く言い訳ができない。

他者に卸しているSERPでは上位には来ないのに、自社の検索結果で、自社のサービスでその会社の評判を下げることが書いてある(しかも、根拠がない)ページをわざわざ上にあげてしまっているのだから。致命的な訴訟リスクを抱える可能性もあると思う。

ネットの普及率も、ネットへの総消費時間も頭打ち(あるいは減少)が伝えられる中、Yahoo! さんとしても、自社サービスへのユーザーのつなぎとめのために様々な方法を考え実行してかなければならないのだろうけれども、それにしてもこのやり方は良い方法ではない気がするのだが・・・


Google Webmaster Central の記事
http://googlewebmastercentral.blogspot.com/2009/10/managing-your-reputation-through-search.html

個人的には、自分のサイトを上げる方法ではなく、他人のサイトが上にきてしまう「評判管理」についての問題に関心があったが、この記事はそれに対処する場合の Google の公式見解と考えてよさそう。

Google に文句を言う前に、サイト管理者に相談しろということ。
当然と言えば当然の対処方法。
昨日、動画SEOとレピュテーションマネージメント(評判管理)ついての記事を書いたのだが、そういえば連立与党の片方とその支持母体の固有名詞でgoogle で検索するとどうなるのだろうと思い検索してみた。

さすがに1ページめの上位ではないものの、1ページめの下または2ページ目にはYoutube の動画がサムネイル付きで表示されている。ユニバーサル検索結果で上位に来る動画は「検索された固有名詞の団体」が意図的にアップロードしたものではなく、部外者がアップロードした動画でむしろ批判的な内容を含んでいるものである。

なぜこういう動画がGoogle で上位に来るかは、セミナー・DVD等で検証しているとおりなのだが、こういった「自分の意図しない動画」を「自分の固有名詞を含む形」で他人にあげられた場合の対応というのは非常に難しい。

テレビの映像をそのままアップロードしているようであれば、明らかな著作権違反行為なので、それを運用者側に通報すれば削除してもらう対処も可能だが、自作で批判動画を作った場合、著作権はアップロードした側にあるのだし、批判の内容も社会的名誉を著しく低下させるほど法的な一線を越えたとは言い難いケースのほうが多いように見える。

アメリカ国内では、Youtube に対しての訴訟が多く発生していると聞くが、
「テレビ局など著作権者からの申し立てに対して、不正アップロード動画を削除しないことによる問題」
「著作権者がオリジナルコンテンツを掲載しているのに、大きな勢力の要請により著作権者に無断で削除をしてしまうことによる問題」
など問題が複雑化していてさらに分かりにくい状況になりつつあるらしい。

アメリカ大統領選などにおいては、「肖像権を持った大統領候補」が「その肖像を撮影し著作権を持っているメディア企業」の申し出で動画が削除されたことについて、Youtubeに対して削除しないでほしいとの申し入れを行ったりもしている。
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20382090,00.htm

自分のレピュテーションマネージメントに、有利なこと、不利なこといずれにしても動画サイトの重要性は増している。
Google の検索結果での Youtube などのサイトが上位表示をされることによる、「動画SEO」と「レピュテーションマネージメント」の問題が発生する兆しが見えている。

どういうことかというと、ある大企業や個人の固有名詞で検索された場合に出てくる検索結果に、非常に悪意のある結果が仕組まれていたりするような場合には、いつの間にかその会社や個人の評判を落としてしまうことになってしまう。

アメリカの例でいえば、動物愛護の関連の思想をもったグループが、ケンタッキーフライドチキンを非難するための非常にショッキングな動画をYoutube にアップするなどして抗議しているらしく、その動画のアクセスが相当な数に上り、ユニバーサル検索でもかなり引っ掛かりやすい位置を維持しているとのこと。(その動画をここに貼れなくもないのだが、個人的にそういった極端な活動に共感もしないしリンクすることでその動画へのSEO効果をつけるのもなんなので止めておく。むしろKFCのファンなので。)

日本でKFCなどでgoogle検索しても、1ページめの下位のほうや2ページめに一時期騒動になった「ゴキブリ揚げ」に関するページや、ニコニコ動画のページが表示されるようになっている。

動画を利用したSEOというのは、それを実際に映像を見た人に与えるインパクトが非常に大きいので、効果的なアクセスアップの方法として動画SEOを提案する場合には、諸刃の剣になりうることも心してかからなければならないと実感。

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