ヤフーIDと他社コンテンツで課金システムの活性化を目指すヤフー

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IT Pro の記事
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20080609/307106/

 USENとヤフーは業務提携し,ヤフーのIDと課金システムを使って視聴できる有料動画配信サービス「Video Complex」を,2008年5月14日に開始した。ヤフーの課金システムを利用している会員を対象に,USENが持つ約5万本の動画コンテンツを有料配信する。

 USENとヤフーはそれぞれ「ShowTime」,「Yahoo!動画」で有料の動画配信サービスを既に始めている。今回の業務提携であえて新しい動画配信サイトを立ち上げることになったカギは,ヤフーの決済機能「Yahoo!ウォレット」である。インターネットで有料サービスを展開するうえで最もハードルの高いのが,「ユーザーへの課金」(金井泉ヤフーPS本部企画部リーダー)である。無料サービスのIDとパスワードの登録でさえ面倒なところに,有料サービスでは住所やクレジットカード情報など,入力が必要な情報はさらに多くなる。また,いくらサービスが便利そうでも,お金にかかわる情報であるためクレジットカードや銀行口座の情報を登録することに不安を感じるユーザーも多く,「実際にサービスを利用する前に,最初の登録の段階であきらめる利用者が非常に多い」(金井氏)という。

 ヤフーは通販やオークション,コンテンツ販売など決済機能を利用するサービスを多く提供しており,こうしたサービスの利用代金を支払うため,ID 番号と一緒にクレジットカードや銀行口座を登録している「ウォレット登録会員」がすでに1700万人いる。こうしたユーザーが現在使用しているIDを使うことができれば,「課金情報の登録」という最大のハードルがなくなり,サービスを利用しやすくなる。ヤフーにとっても,他社のサービスが課金システムを利用することによって手数料収入が得られるほか,ヤフーIDの利便性が高まり,より多くの利用者を集められる。

 ヤフーは積極的にヤフーIDの利用を他社に呼びかけており,既に10社以上のサービスでヤフーIDが利用できるようになっている。しかしこれまでは無料サービスが中心で,今回のUSENとの取り組みは,ヤフーのIDと課金情報を合わせて利用する初のケースとなる。また2008年6月4日には第一興商との提携を発表,ヤフーの有料会員「Yahoo!プレミアム会員」向けのクーポン割引や,将来的にヤフーの会員IDで第一興商のインターネット向けカラオケサービス「karaoke@dam」などの有料サービスを利用できるようにする方針を明らかにした。

 ヤフーは「1社で提供できるサービスには限界がある。今後も他社との提携によって,ヤフーIDと課金システムを使えるサービスを増やしていく。 USEN以外の企業とも動画配信サービスを行う可能性もある」(ヤフーPS本部メディア事業部の番井健次郎氏)とし,積極的に他事業者との提携を進める方針である。

Yahoo! が検索エンジンの提供会社というより、決済システムでの囲い込みを目指しているとすれば強力な強みを持つことになる。

動画購入とその決済システムの信頼性はこれまで常に問題になってきているので、多少手数料率は高くても信頼できるサイトとしてYahoo! の決済システムを利用しているということで信頼性が高まるのであれば、利用したいという事業者も多くなるはず。

 

 

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