マイクロソフト、MSN Musicで購入済み楽曲を転送できなくなる問題について釈明

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CnetJapan の記事
http://japan.cnet.com/marketing/story/0,3800080523,20372047,00.htm

 MicrosoftのMSN Entertainment、Video、SportsのゼネラルマネージャーであるBennett氏は、現在は(音楽ダウンロード販売を)停止している 「MSN Music」サービスの以前の顧客に対して、8月31日以降は、購入済みの楽曲向けにDRM(著作権保護技術)キーを発行しないとの新方針を、米国時間4 月22日に明らかにした。これはつまり、顧客は購入した楽曲を、認証済みのコンピュータ上では、そのハードウェアが利用可能な限りは再生できることを意味 しているが、8月31日の期限後は、新しいコンピュータへ楽曲を転送することはできなくなる。

 CNET News.comとのインタビューにおいて、Bennett氏は、DRMキーのサポートを継続することは非現実的であり、この問題が影響を及ぼす人々の数 は「ごく少数」に過ぎず、今後は「Zune」に特化したサービスを提供していくことが最善の方法であるとの結論に至ったことを明らかにした。また、 Bennett氏は、DRMで保護された音楽配信を提供するのは、Microsoftにとっては不本意な決断であったとも語っている。

 DRMライセンスを提供するサーバを閉鎖するとの決定は、「OSのアップグレードがある度に、DRMの対応を図ることは、すぐにかなり複雑なもの となる」との理由で下されたことも、Bennett氏は明らかにしている。「毎回、サポートに関する問題が持ち上がる。ライセンスをダウンロードすること ができないため、多くの人々がサポートを求めてくる。その度に、新しいコード、新しいコンフィギュレーションを作成することが求められる。(中略)今後の 最善の対策は、Zuneのみに集中することであると、われわれは心より確信している」(Bennett氏)

 Microsoftは、2006年11月にMSN Musicのサービス提供を中止し、MSN Musicを「iTunes」に対抗する合法的な音楽販売サイトとする計画は失敗に終わった。その後、Microsoftは、デジタル音楽プレイヤーの Zuneと、Zune向けに音楽を販売する「Marketplace」に、同社のリソースや対応を集中させてきた。

 これまで18カ月間は、Microsoftは、MSN Musicの以前の顧客に対して、購入した楽曲ライブラリを新たなコンピュータ上へ転送できるように、サポートの提供を継続してきた。新たにDRMキーを 提供するのを中止するとの決定は、大きな批判を呼んだ。これまで批評家は、DRMに関して、消費者を犠牲にしながら、合法的に購入された楽曲のコントロー ルを可能にする手段であると、長きに及ぶ批判を展開してきた。今回のMSNの状況は、まさにその良い例である。

 Bennett氏は、Microsoftの下した決断を擁護している。Microsoftが楽曲をDRMで保護することを、当初から望んだわけではないというのが、Bennett氏の持論である。

 「当時からDRMフリーの楽曲を提供することが可能であったならば、われわれは絶対にそうしたはずだ。この件については、レーベル側とも話し合い をした。Microsoftとして、われわれはこの要求を続けてきた。Zuneは、DRMフリーのMP3楽曲の集大成となっている。そして現在では、音楽 業界も前進している。レーベルは、DRMを想定した通りに活用しようとするならば、システムを違法に用いようとするユーザーではなく、合法的に音楽を購入 したユーザーに手ひどい扱いを加えることになってしまうことがあるという、DRMの負の側面を理解するようになってきた」と、Bennett氏は述べた。

 さらにBennett氏は、Microsoftが知的財産の保護を非常に重要と考えてはいるものの、不当な制限を受けることなく、人々がメディアを利用できるようにしたいと願っているとの見解も明らかにした。

 Bennett氏は、「誰もこの状況を予想しなかった」と述べ、「われわれの好きなことではない。われわれは簡単にできるだけ顧客を傷つけないよ うにしたい。長期的に見て、Microsoftから楽曲を購入したい人はZuneに移ることが最善であるとわれわれは心から感じている」

 MSN Musicの元顧客は自分たちの持っている楽曲をCDにバックアップできるとBennett氏は述べた。しかし、楽曲を再度取り込む時に生じる音質の低下についてはどうだろうか?

 「われわれは楽曲を160kbpsで配信している。私の個人的な経験では、それほど忠実度を損ねることはないだろう」(Bennett氏)

DRMをかける場合の今後起こる問題点などを象徴したような内容。AdobeのサーバーでもDRM対応になるが、サービス停止後にどのような対応になるかが難しい。DRMでの配信を提供するチャネル自身の信頼度や方針が将来的な利用にも大きく影響する。その意味ではやはり物理媒体での提供のほうが断然分かりやすく、購入者側のリスクは少ないか。



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