動画配信・DRM・VSEO・動画マーケティングでタグ「文化庁」が付けられているもの



Cnet Japan の記事
http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20385449,00.htm
補償金制度の議論において、「DRMで私的複製は制限されており、補償金は不要」とするメーカー側と、「現在の技術的措置では著作権が完全に守られ るとは言いがたい」と補償金制度の継続を主張する権利者側の間で調整が難航。同委員会の開催期限である2009年1月が迫り、「本委員会では一定の方向性 が得られなかったことを前提に報告書をまとめた」(文化庁著作権課 著作物流通推進室長の川瀬真氏)と、文化庁は苦肉の策を講じた。

 その結果、まとまった報告書案では「補償金制度の見直しは残念ながら関係者の合意を得られることができなかった」と明言。また、「3年にわたる小 委員会での議論を通じてある程度整理されたところであり、小委員会での議論は今期で終了することが適当である」と結論付け、来年度以降同委員会の開催を継 続しない方針を示した。

溜息。
InternetWatch の記事
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/10/20/21241.html


 私的録音録画補償金制度の見直しを検討している、文化審議会著作権分科会の「私的録音録画小委員会」の第4回会合が20日に開かれた。携帯音楽プレー ヤーを補償金制度の課金対象とする、いわゆる“iPod課金”について関係者の合意が得られず、文化庁では今年度中の結論を見送る方針を示した。

 文化庁は5月8日の会合で、補償金制度を縮小することを前提に、暫定措置としてiPodやHDDレコーダーなど「記録媒体を内蔵した一体型機 器」を課金対象とする制度改正案を提示。7月10日の前回会合では、権利者側が受け入れる姿勢を示したが、メーカー側は「補償金制度縮小の道筋が明らかで ない」などと反対。その後も両者の意見は平行線をたどり、合意が得られない状態になっていた。

 3カ月ぶりの開催となった今回の会合では、事務局を務める文化庁著作権課の川瀬真氏が「非公式な場で関係者と妥協点を探ったが、結論が出ない状 況」と現状を報告。小委員会の任期である2009年1月までに結論を出すことは難しいとして、文化庁が提示した制度改正案をめぐっては、両論併記のかたち で報告書をまとめる意向を見せた。今後は、11月末から12月初旬をめどに報告書案を作成。その一方で、関係者の調整による解決も探るという。

「ダウンロード違法化だけでも」権利者側は早急な法改正求める

  小委員会ではこのほか、著作権法第30条の範囲を見直すことで、違法複製物や違法サイトからの私的録音録画を違法とする、いわゆる「ダウンロード違法化」 についても議論されていた。この点について報告書では、ダウンロード違法化に賛成する権利者側の意見だけでなく、パブリックコメントの意見募集の結果など も踏まえて対応策をまとめるとしている。

 この問題について権利者側の委員は、「ネット上の違法流通の被害は深刻」と主張。補償金制度見直しの議論とは切り離して、早急な著作権法改正を 求めた。「京都府警が9月18日に逮捕した仙台市の男性は、日本で未公開の洋画に日本語字幕を付けてWinnyにアップロードしていた。容疑者は、ファイ ル共有ソフトでダウンロードした映画を加工して、新たにアップロードしていたと聞いている。このように、違法なアップロードとダウンロードは密接に関係し ており、どちらか一方を取り締まるだけでは、不正な流通を防ぐのは難しい」(日本映画製作者連盟の華頂尚隆氏)。

 一方、30条改正に反対しているジャーナリストの津田大介氏は、「法改正後の流れとして、30条の制限がすべての著作物に適用されることにな る」と懸念を表明。さらに、ダウンロード違法化を進める代わりとして、SNS世界最大手の米MySpaceが提供する音楽サービス「MySpace Music」のように、ユーザーが合法的に音楽を楽しめる環境を整えるべきだと訴えた。MySpace Musicでは、自らのプロフィールページに好きなアーティストの楽曲のプレイリストを作成し、音楽を再生することが可能。スポンサーの広告費によって、 楽曲のフルコーラスが無料ストリーミングで楽しめる。

 この意見に日本レコード協会の生野秀年氏は、「CDレンタルがあるのは日本だけ。日本ほど正規品の流通がしっかりなされている国はない」と反論した。

メモ。
インフラなどの状況が最も進んでいるのは日本なのだから、他国のことを持ち出すのはやめたほうがいいと思うのだが・・・。

世界に先駆けて、デジタルコンテンツ流通に関する合理的なルールが決まることを1年くらい前はちょっと期待したが、そんな気配が全くないのが残念なところ。

Internet Watch の記事
http://internet.watch.impress.co.jp/static/index/2008/08/12/hoshokin.htm

振り返る気にもなれないが、メモ。

IT Media News の記事
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0807/24/news117.html

 権利者にとって目に見える成果も出てきたという。成果とは(1)JEITA加盟社にも、権利者に理解を示すメーカーが出てきた、(2)補償金制度が報道されるようになり、消費者の関心が集まってきたこと――で、椎名さんは「プラス思考でいきます」と話す。

 (2)についてはアイシェアが7月7日に発表した補償金についての意識調査(ネットアンケート)で、24.2%が「補償金は著作権のためなら仕方がない」と、25.9%が「課金される補償金の金額次第(で受け入れる可能性がある)」と答えていたことを紹介。「課金されてもいいと考える人が55%に上っている。ネットユーザーを中心とした調査結果では、これまでに考えられなかった画期的な数字。少しずつだがユーザーの理解が進んでいる」(椎名さん)

すでにInternetWatchで報じられているが、IT Media News では上記の部分についての記述が加わった形。

アイシェア調査については、質問の仕方がいまひとつ(恣意的)な調査が多いが、これもその一つ。「課金に賛成か反対か?」と聞かれるとそれは当然反対と答える%が大きくなる。「権利者に対価報酬のための課金に賛成か反対か?」という質問であれば、また違った答えとなるはず。

日本人はモラルも高いので、JEITAの理不尽な主張が変質せず、一般に知られるところとなれば、ネットの一部のフリーライド賞賛の言論も、急に潮目が変わってくる可能性はあるはず。

 

Internet Watch の記事
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/07/24/20367.html

 音楽や映像などの権利者団体で構成される「デジタル私的録画問題に関する権利者会議」が24日に会見を開き、私的録音録画補償金制度の支払い義務者をメーカーにすべきと訴えた。また、補償金制度の見直しに合意しないメーカーの強気な姿勢の背景には「経産省の介入がある」と指摘。補償金制度の見直しを巡って、今後は経済産業省との交渉も辞さない構えを示した。

しばらく経産省とやり続けることになるだろう

 7月10日に開かれた私的録音録画小委員会では、電子情報技術産業協会(JEITA)の委員が、「DRMが施されているコンテンツなどの私的複製は、権利者の大きな経済的な損失が認められない」と発言。地上デジタル放送の新録画ルール「ダビング10」についても、「DRMが機能している範囲では、契約で許諾する私的複製と同じである」として、権利者への補償は不要であると主張していた。

 この点について実演家著作隣接権センター(CPRA)の椎名和夫氏は、「ダビング10などのように契約によって対価を徴収できない分野で、なぜ不利益が発生しないと言えるのか」と疑問を示す。また、DRMの普及に伴い補償金制度を縮小・廃止する前提で、当面は補償金制度を継続する方針を盛り込んだ「文化庁案」にJEITAが反対したことについても、「結局は、議論を振り出しに戻す『ゼロ回答』。2年間にわたる議論が、徒労に終わりかねないのは残念」と失望感を募らせた。

 椎名氏は、私的録音録画補償金制度の見直しに合意しないJEITAの“ちゃぶ台返し”の背景には、経済産業省の介入があると指摘する。「経産省は、メーカーだけでなくコンテンツ産業も所管する役所。これまでは補償金を巡る議論で何の調整も行わなかったが、土壇場になってメーカーの意を受けて介入してきた。コンテンツの権利者を屈服させようとしたことは、極めて由々しい事態だ。個人的には、PSE法が成立した際、『中古楽器が販売できなくなる』となったときに経産省と事を構えたが、経産省は大企業の方しか見ていなかった。結局、強きに流れてばかなことをやる体質は、何も変わっていない。今回もしばらく経産省とやり続けることになるだろう」。

補償金の支払い義務者をメーカーに

 補償金制度の見直しに合意しないJEITAの姿勢について椎名氏は、「補償金の負担のサイクルからメーカーが逃れようとしている」と非難。「メーカーがこれだけ補償金に強くこだわるのは、補償金の支払い義務者は事実上メーカーであるから」として、今後はユーザーに私的録音録画を可能にする機器・記録媒体を販売することで巨大な収益を得ているメーカーを、補償金制度の支払い義務者にすべきだと訴えた。また、「その話をする相手は今後考えた方がいい」として、経済産業省と交渉する姿勢も見せた。

 「メーカーは、補償金がかかれば製品の値段が上がると説明するが、おそらくそれは間違い。例えば、パナソニックのブルーレイディスク(BD)レコーダー『DMR-RB500』の価格を量販店と価格比較サイトで調べたところ、最安値と最高値の価格差が4万6806円もあった。仮に最高値で補償金額を算出してみると759円。メーカーと量販店との取引価格は、取引実績や市況で決まるので、759円が小売り価格に影響を与えることは少ないだろう。また、買い物の仕方次第で4万以上も損したり得したりする中で、759円が『法外な金額』とはいえない。

JEITAは補償金制度の自然死を待つために時間稼ぎをしている

 さらに椎名氏は、「瀕死の状態にある」という補償金制度の窮状を訴えた。私的録音録画補償金の徴収額は、2001年の 40億円をピークに右肩下がりを続け、2007年では12億円までに縮小したという。「権利者としては少しでもこの状態から脱することができればと思い、文化庁案を支持してきたが、もはやその意味合いは大きく薄れたと言わざるを得ない。JEITAにしてみれば、法改正に反対すれば補償金制度は自然死を迎えることから、明らかに時間稼ぎをしている」。
 また、日本音楽著作権協会(JASRAC)の菅原瑞夫氏は、補償金の対象にすることが決まったブルーレイディスク(BD)についても、「いまだに政令指定を受けていない」と指摘。北京五輪商戦として販売されているBD製品が、補償金制度の対象外になっている現状を示した。「政令指定後には補償金額の料率の交渉もある。そこでJEITAが延ばすとなると、実質的にはどうなるんだろうかという問題がある」。

 また、iPodをはじめとする携帯音楽プレーヤーを課金対象とする、いわゆる“iPod課金”については、MDやDATなど補償金額が少ない物を補償金の対象から外した上で、携帯音楽プレーヤーを新たに対象とすることも検討していると言うが、「そのことも(JEITAに)否定されている」状況だという。

 「フランスではiPhoneに2月から補償金がかかっていて、速やかに動いている。なぜ日本はこれができないのか。それには当事者間の合意が前提となるが、JEITAが『ノー』と言い続ければ合意は永遠に訪れないことになる。iPod課金にも法改正が必要となるが、それまでに補償金がどんどん少なくなっていく状況をどう考えていただけるのか」(菅原氏)。

JEITAの「そんなの関係ねぇ」発言は社会を愚弄するアウトローな主張

 日本映画製作者連盟の華頂尚隆氏は、「もし権利者側が地上デジタル放送のコピーネバーを主張していれば、機器や記録媒体は売れないのでメーカーの利益はゼロ、権利者もコピーが行われないので補償金による対価もゼロ、消費者の利便性もゼロ。ネガティブだが、フェアな構図」との持論を展開。しかし実際にはダビング10が解禁され、消費者とメーカーだけに利益がもたらされていると指摘し、「権利者にも適正な対価の還元があってもいいんじゃないか」と述べた。「JEITAは『デジタル環境でのコンテンツ流通はWin-Winであるべき』と発言しているのに、なぜかダビング10では補償は不要と言う。『そんなの関係ねぇ』みたいな感じだ。」(菅原氏)

 華頂氏は「そんなの関係ねぇつながりで」として、JEITAが7月10日に開いた記者会見で、「BD課金は、ダビング10スタートのために文科省と経産省が決めたこと。ダビング10開始は歓迎するが、対象機器についてJEITAが申し上げたことはない」と発言したことを指摘。「勝手に決めたことに従う意思がないというアウトローな主張。社会全体を愚弄するする看過できない発言だ」と厳しい非難を浴びせた。「両省の大臣は、ダビング10の環境整備のためにBDを課金対象にすると言っている。BDは、ダビング10の補償以外の何者でもない」。

 このほか菅原氏は、補償金制度が著作権を保護する文化保護制度のひとつであるとして、補償金制度に反対するJEITAの姿勢を改めて批判した。「JEITAの一連の発言や対応を見ると、文化保護の制度が要らないと言っているに等しい。そのような保護の制度がなぜ不要なのか、JEITAに証明してもらいたい」。

 「JEITAは議論が尽くされていないと言うが、2007年では17回の小委員会が開かれ、うち補償の必要性は8回も議論が出た。尽くされていないというのは、自分たちが発言していないのか、自分が思うような進み方がないと、議論がされていないというのかわかりませんが、いかがなものでしょうか。」

これまで表面上に出てきている記事などを読んでも、論理性で言えばJEITAのほうにはほとんどないに等しく、それでいて強気に議論を拒否している状況なので、矛先を経済産業省に変えるというのは正しい方法か。

 

IT Media News の記事
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0807/10/news117.html

うんざりするだけの議論が続いている。感想は特になし。

 

Internet Watch の記事
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/06/17/19959.html

 映像や実演家などの権利者89団体は16日、電子情報技術産業協会(JEITA)に対して、私的録音録画補償金制度の見直しに関する公開質問状を送付した。今回の公開質問状は、JEITAが5月30日に発表した公式見解の真意を確かめることが狙い。HDDレコーダーや携帯オーディオプレーヤーを補償金対象機器にすべきでないなどの考えを示したJEITAに、その根拠を尋ねている。

 JEITAの公式見解では、補償金制度の原則として「私的複製が際限なく行なわれることで権利者に重大な経済的損失が生じる場合に、それを補償しようとするもの」と説明。さらに、デジタル著作権保護(DRM)技術が普及することで、補償金制度の必要性は反比例的に減少するとした上で、「消費者の意見を十分に踏まえ、デジタル技術の進展に伴って補償金制度を縮小・廃止していくことが原則」との考えを示している。

 JEITAはこうした前提を踏まえた上で、HDDレコーダーや携帯オーディオプレーヤーは、「権利者の経済的損失を直接生じせしめるものではない、いわゆるタイムシフト・プレイスシフトを目的とするもの」と指摘。「補償金の対象とすることは補償金制度の趣旨に照らし合理性はなく、従って、消費者に不合理な負担を強いるものであるため、受け入れられない」として、これらの機器を補償金対象にすべきではないとの姿勢を示していた。

 この公式見解に対して権利者団体の公開質問状では、従来の補償金制度の対象媒体であるMDや録音用CD-R/RW、録画用DVD-R/RWなどは、タイムシフト・プレイスシフト目的だけでなく、その他の利用形態が混在していたと指摘。HDDレコーダーや携帯オーディオプレーヤーもこれと同じことが言えるとした上で、JEITAが補償金対象機器への追加を拒否する根拠を改めて尋ねている。

 また、文化審議会での私的録音録画小委員会でJEITAの委員が、音楽CDからの録音について「補償を考える余地が生じてくるというふうに考えられる」と発言したことを指摘。その上で、私的録音の主要機器であるHDDレコーダーや携帯オーディオプレーヤーを補償金対象に指定せずに、どのような方法で音楽CDからの録音に関する補償金制度を成立させるのかと質問している。

 さらに、「JEITAが自らの責任を回避するために、こうした一貫性のない主張を展開することによって、どれだけ社会的な混乱が生じているか認識されているのでしょうか。わかりやすく説明してください」など、合計8つの質問を投げかけている。


 このほかの質問内容は以下の通り

 ・著作権法第30条(補償金制度)に基づく私的録音録画の範囲は、個人的かつ零細な利用のみ。この範囲は、著作権保護技術が普及した場合でも変わらず、補償の必要性もなんら変わるものではない。こうした客観的事実と、JEITAの主張(「補償金制度とは、本来、私的複製が際限なく行なわれることで権利者に重大な経済的損失が生じる場合に、それを補償しようとするものである」「デジタル技術の進展に伴い、技術的にコンテンツの利用をコントロールすることが容易になっていく中で、補償金制度の必要性は反比例的に減少する」)は反するものではないか。

 ・著作権保護技術の普及に伴い補償金制度を縮小することを前提に、当面は補償金制度を存続することなどを示した「文化庁案」において、JEITAが「制度の縮小廃止の方向性が見えない」とする理由を示してほしい。

 ・JEITAは「ダビング10」の前提条件である「クリエーターへの適正な対価の還元」と私的録画補償金は関係ないと主張しているが、ここでいう「クリエーターへの対価の還元」とは、どのような方法で実現するのか。国民のためにこの問題を解決する意思があれば、ただ私的録画補償金制度に反対するだけではなく、すべての関係者が納得できる他の具体的な案を示していただくのが、真摯に議論に参加するもののとるべき態度ではないか。

 ・JEITAの一連の主張は、「消費者への配慮」という言葉を頻繁に使用することとは裏腹に、文化庁案を拒否することで「ダビング10」の実施を危うくしていることだけを取り上げても、「消費者の利益や利便性」よりも、むしろ私的録音録画補償金制度に係わる負担のサイクルから、メーカーのみが責任を回避することに固執しているように見える。私的録音録画によってもたらされる利益は、消費者だけでなくメーカーにももたらされており、その利益の一部分は、第4次中間答申において「権利者に還元されるべき」とされた対価のリソースに含まれているというのが権利者の考え方。私的複製を可能とする機器などを製造販売して利益を上げる以上、この因果関係と社会的責任からは逃れられないのではないか。

 ・コンテンツとハードウェアはコンテンツ大国実現のための車の両輪といわれる。本来互換関係にあるべき権利者とメーカーが協力すればさらなる成果が期待できると考えているが、こと補償金制度に関する限り、JEITAの態度は一貫して頑なであり、かつ敵対的。こうした状況を打開してより良い関係を実現するために、ともに手を携えることはできないのか。

これまでの経緯を Internet Watch、IT Media News を中心に読んでいるが、JEITA側の大義が相変わらず見えない。こういう混乱が発生しているにもかかわらず、だんまりを決め込んでいるのは、明らかに「消費者のため」ではない。この数ヶ月のJEITA側もあまり得しているようにも見えない、というより一方的に損をする感じすらする。

JEITAとにかく論理的な声明を出すべきだと思うが、おそらくはそれほど大した論理性もなくつっぱているだけなので、何も出せないというのが現状と推測。内部で影響の大きいどこぞの大手のメンバーが吠えているのかも。

ASCII の記事
http://ascii.jp/elem/000/000/132/132100/

タイトルからしてちょっとどうなのだろう、と思ったがこちらの先生のご意見ならこういう書き方のほうが自然。

権利者寄りの文化省側の見解に納得しにくい人も多いだろうことは分かる。しかし、「ユーザーの要請は無視するのか。」と一言でさらりとかいてあるのだが、「ユーザー側の声」は例のパブリックコメントの大多数の意見がそうであったように、無茶苦茶な論理で議論の土俵にのせられない、ということも大きい。ここが伏せてあるのがポイント。

正当なユーザーの要望というのを、もう少し整理すべき。

日本のアニメ文化が、日本の固有の広告代理店、テレビ局、スポンサー、制作会社という関係性がなければ育まれえなかったことを考えれば、日本独自のコンテンツ業界へのお金の回る仕組みをユーザーも巻き込んで考えてもいいと思う。(国が決めることでもないと思うが。)

 

IT Media News の記事
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0804/04/news128.html

 「JEITAの大きな変化を、高く評価したい」――日本音楽著作権協会(JASRAC)や日本レコード協会など24の権利者団体と65の賛同団体 で構成する「デジタル私的録画問題に関する権利者会議」は4月4日、私的録音録画補償金問題に関して、エレクトロニクスメーカーの業界団体・電子情報技術 産業協会(JEITA)の「譲歩」を歓迎すると表明した。今後はiPodやHDDレコーダーなどが補償金の課金対象になるよう、文化審議会の小委員会など で訴えていく。

 私的録音録画補償金問題をめぐっては、権利者側とJEITAの主張が対立していた。権利者側は、地上デジタル放送の録画ルールを「コピーワンス」 から「ダビング10」に緩和するためには補償金が必須とし、「ダビング10の合意にも、補償金制度の継続が含まれている」と主張していた。

 これに対してJEITAは、「DRM(デジタル著作権管理)があれば補償金は不要」と訴え、ダビング10というDRMが採用される地上デジタル放送機器は、補償金の課金対象にすべきではないと主張してきた。

 権利者側は「JEITAは一度合意した内容を破棄しようとしている」と、真意をただす公開質問状をJEITAに送付するなどし、「補償金制度撤廃に議論が動くなら、6月2日のダビング10への移行が凍結される可能性がある」とJEITAをけん制していた。

「文化庁案」で歩み寄り

 補償金の扱いや課金対象については、文化庁文化審議会著作権分科会の「私的録音録画小委員会」などで、権利者やJEITAの代表者を交えて議論し てきた。だが「最初に議論が始まってから4年近く経ち、原理主義的な理想論がいろいろな立場から述べられて収集が付かなくなっていた」と、実演家著作隣接 権センター運営委員の椎名和夫さんは指摘する。

 こう着状態を打破しようと、文化庁は今年1月17日の小委員会で折衷案を提示。「権利者がコンテンツの複製回数をDRMで完全にコントロールでき れば、補償金は不要になる」という前提に立ちながらも、「当面は補償金による対応が必要な分野」として、(1)音楽CDからの録音、(2)無料デジタル放 送からの録画――を挙げた。

 この案では、ダビング10は「権利者が策定したルールではない」として権利者への補償が必要という考え。ダビング10対応の地上デジタル放送録画機器も、補償金の対象に含めることを検討すべきという方向性を示した(関連記事:「DRMが普及すれば補償金縮小」で合意へ

 4月3日に開かれた今期第1回の私的録音録画小委員会で、 JEITA著作権専門委員会委員長の亀井正博さんは「文化庁案に沿って、バランスの取れた解を見つけるために真摯(しんし)に努力する」と発言。権利者側 はこれを「JEITAが、デジタル放送録画機器への補償金課金を含む文化庁案を容認する意思表示」ととらえ、「大きな変化」と歓迎した。

 「こう着した議論の中では、まず誰かが一歩降りる必要がある。コピーワンスの緩和でまず降りたのはわれわれ権利者だったし、今回も一歩降りてい る。6月2日にダビング10が実施できるかのボールは今、メーカー側にある。よりよい解決の方向に決断をいただきたい」と椎名さんは述べる。

HDDレコーダーやiPodへの課金目指す

 文化庁案では、補償金維持を検討する分野として(1)音楽CDからの録音、(2)無料デジタル放送からの録画――を挙げている。権利者側は(1) について、iPodなどデジタル音楽再生機器を、(2)については、HDDレコーダーやBlu-ray Discレコーダーなどを新たに、補償金の課金対象に加える方向だ。

 「消費者が使うメディアはシフトしているのに、補償金の課金対象機器は変化がない。同じ録音・録画ができるのに、課金される機器とそうでない機器 があるという不公平な状況の中、補償金は年率2割ずつ減り続けている」と椎名さんは指摘。「中間整理の段階で、録音・録画専用機器については、課金対象に 加えることでおおむね合意した」と話す。

 PCなど汎用機器については「どの程度録音・録画に利用されているかを調べて、その割合にあった金額を按分するといった手があると思う。今後、議論になっていくだろう」とした。

 文化庁案は、補償金は暫定的に維持するものの、DRMの普及を見ながら順次、制度を縮小していくという方向性を示し、権利者側も受け入れる方向 だ。これについて椎名さんは「権利者の大幅な譲歩、と理解されているが、消費者の利便性を損なわず、権利者の利益も損なわない状態が実現するのならば大き な前進であり、妥協でも挫折でもない」と話す。

 「だが、補償金制度が縮小すると、ユーザーが無許諾で行える私的複製の範囲が狭くなり、許諾を必要とする複製が増える。それがユーザーにとって望ましいか議論する余地を文化庁案は残しており、議論は続くと思う」


JEITAが「保証金の制度自体をなくすべき」としていることのメリットがJEITA自体にもあるのかが分からない。この手の商品で、値段が10%下がっ たからといって、売上が10%上がるわけもなく、コンテンツの権利者との対立の構図を作ってしまうこと自体が大変なデメリットで、何も得はないようにすら 思える。

上記の記事中で、「権利者がコンテンツの複製回数をDRMで完全にコントロールでき れば、補償金は不要になる」という前提自体が将来においてありえない話に思える。それでは、DRMで完全だと宣言しておいて、破られたときにはJEITAが完全に責任を持って補償するということか?

Cnet Japan の記事
http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20370762,00.htm

 文化庁の諮問機関・文化審議会著作権分科会の2008年度「私的録音録画小委員会」の第1回会合が4月3日、開催された。

 前年度に開かれた同委員会では、違法複製物からのダウンロードを、著作権法第30条の適用範囲から外して違法とすべきとする違法コンテンツのダウンロードの違法化と、DRM(著作権保護技術)の普及を前提にした補償金制度の縮小が議題の中心として話し合われてきた。ダウンロードの違法化については、委員の間で違法とすべきという一定の結論が得られたものの、補償金制度の縮小では意見がまとまらず、2008年1月30日に開かれた前年度の最終会合では「議論を次期委員会に持ち越す」という結論で締めくくられた。

 こうした流れを受け、今年度の委員会では、補償金制度のあり方を中心に議論を進めていく方針が確認された。また、審議の内容は文化庁が1月17日の委員会で提示した「著作権保護技術と補償金制度について(案)」をもとに検討を進めていく。

 文化庁がまとめた同案は、DRMによってコンテンツの複製回数が完全にコントロールできれば、補償金は不要になるという前提のもと、著作権法30条2項で規定された補償金制度を順次縮小していくという方針を示したもの。

 その間、著作権者が被る経済的な不利益は、暫定低的な補償金制度によって補っていくとしている。文化庁著作権課川瀬真氏によると「同案に対しては関係団体の間からも表立った反対意見は寄せられていない」と述べた。一方、「今回の提案はあくまで大枠にすぎず具体的な制度設計がなされてない」といった意見が寄せられたことも明かされ、今後は補償金制度の対象機器や機器に上乗せする金額、補償金の支払い義務者などの詳細を盛り込んだ提案書を改めてまとめ、5月8日に開かれる第2回会合で提出する方針が語られた。

 同委員会は、今後は月に2回のペースで会合が開催される予定で、第2回会合で公表される補償金制度の文化庁案の内容を受け、5月29日に開かれる第3回会合で方向性が決定される見通しだ。以降、早ければ7月中にも報告書を取りまとめ、ダウンロード違法化と併せた著作権法改正法案を国会に提出し、早期成立を目指す。

 なお、今年度の委員会の主査は前年度に引き続き、西村あさひ法律事務所顧問の中山信弘氏が再任。そのほかメンバーには、電子情報技術産業協会(JEITA)法務・知的財産権委員会著作権専門委員会委員長の亀井正博氏をはじめ、日本民間放送連盟事務局次長の大寺廣幸氏、主婦連合会副常任委員の河村真紀子氏、日本レコード協会専務理事の生野秀年氏など、2007年度と同じ20名が委員として参加する。

 また、今回の会合では、日本レコード協会と、コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)の担当者が出席し、2007年に実施された「違法着うたに関する調査」と「P2Pファイル交換ソフトに関するアンケート調査結果」を紹介。

 「違法サイトの利用によって有料サイトの利用が減ったという人が前回調査から増えた」「違法サイトの利用によってCDの購入が減ったという人が増加した」という結果報告に対して、委員のイプシ・マーケティング研究所社長の野原佐和子氏からは、「無料で着うたをダウンロードしているユーザーは10代が多い。しかし、10代のユーザーはもともと可処分所得が少ない層。便利なサイトがあったから使ったというだけで、違法という意識がないユーザーもいるはず。すべてを『違法』で進めるのではなく、広告モデルで成り立たせる、といった解決策もありうる」と提案がなされた。

Memo。ビジネスモデルの成立のさせ方をお役所の文化庁の会合で提案されるということが、ちょっと奇異な感じはするのだが。

IT media news の記事
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0801/17/news110.html

これまでの IT media news の関連記事と比べるとかなりすっきりとした記事。
Internet Watch 9月の記事。
文化庁の著作権法第30条が認める著作物の私的複製の適用範囲についての記事。重要なので、全文引用。


私的録音録画小委員会の2007年第13回会合
 私的録音録画補償金制度の抜本的な見直しを図るために、文化審議会著作権分科会に設けられた「私的録音録画小委員会」の2007年第13回会合が、26 日に行なわれた。今回の会合では前回に引き続き、これまでの議論をまとめた「中間整理(案)」をベースに、著作権法第30条が認める著作物の私的複製の適 用範囲などについて議論が交わされた。

 中間整理案では、違法録音録画物や違法サイトからの私的録音録画について、第30条の適用範囲から除外することが適当であるとしている。これが 法制化された場合、海賊版からの録音録画をはじめ、違法ダウンロードサイトやファイル交換ソフトで入手した違法コピーから著作物を録音録画することは違法 行為となる。ただし、罰則については適用されない見込みだ。

 なお、本日の会合では、第30条の適用範囲から除外について検討してきた「違法録音録画物、違法サイトからの私的録音録画」の利用形態の説明と して、「視聴のみを目的とするストリーミング配信サービス(例 投稿動画視聴サービス)については、一般にダウンロードを伴わないので検討の対象外であ る」という脚注を追記することが事務局から提案された。

 この脚注を加えた理由について文化庁著作権課の川瀬真氏は、一部の新聞や雑誌で「YouTube」などの動画共有サイトを視聴することも第30 条の適用から除外されるという記事があったためと説明。この点については「誤解である」と述べ、視聴のみを目的とするストリーミング配信は一般にダウン ロードを伴わないため、動画共有サイトを視聴するだけでは違法行為にはならないとする見解を示した。

 なお、YouTubeなどの動画共有サイトを視聴する際には、動画ファイルのキャッシュがPC内のHDDに一時的に保存される。この点について IT・ジャーナリストの津田大介氏は、「違法ダウンロードが法制化された場合は、キャッシュとして保存することも複製と見なされ、違法行為になってしまう のか」と疑問を示した。

 この質問に対して川瀬氏は、「それが複製にあたるかどうかの知識はない」と前置きした上で、2006年1月に提出された文化審議会著作権分科会 報告書の内容を紹介。それによれば、文化審議会著作権分科会に設けられた「法制小委員会」において、仮に現行の著作権法でキャッシュが「複製」と解釈され ても、権利制限を加えるべきではないとする見解が示され、法改正事項として挙げられていると答えた。

日本レコード協会、違法ダウンロードへの民事訴訟「ないとはいえない」

 違法サイトなどからのダウンロードを第30条の適用範囲から除外することに反対意見を表明し続けている津田氏は、権利者団体がユーザーに対して、法改正が実施された場合に民事訴訟を行なう意思の有無を確認した。

 これに対して日本レコード協会の生野秀年氏は、法改正後にはまず啓発活動でユーザーに違法行為であることを伝え、適法サイトであることを示す識別マークを普及させることが優先としたが、悪質なユーザーについては「訴訟しないとはいえない」と回答した。

 さらに津田氏は、法改正で違法サイトからのダウンロードが禁止されれば、「お前は違法ダウンロードをした」と脅して、金銭を振り込ませる架空請 求メールが増えると指摘。罰則が適用されないにもかかわらず、わざわざ法改正を実施するとすれば、「消費者に混乱をもたらすだけ」とコメントした。また、 送信可能化権によって違法アップロードを取り締まれば、新たに違法サイトからのダウンロードを取り締まる必要はないと訴えた。

 続けて津田氏は、動画共有サイトに公開されている動画について、専用ソフトを使ってダウンロードする行為は「情を知って」録音録画することにな るのか質問。これに対しては川瀬氏が、動画共有サイトに違法著作物がアップロードされていることを理解している場合は「情を知って」に該当すると回答。さ らにストリーミング配信から専用ソフトで動画をダウンロードすることが、コピーコントロールを回避する行為と認められれば著作権侵害になると答えた。

 なお、これまでの会合では「違法サイトと知らずに利用した人にまで権利侵害とするのは行き過ぎ」などの意見が出たことから、中間整理案には「違 法サイト等と承知の上で(「情を知って」)録音録画する場合や、明らかな違法録音録画物からの録音録画に限定する」など、利用者を保護する記述が盛り込ま れた。


関連情報

URL
  私的録音録画小委員会(第13回)の開催について
  http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/kaisai/07091308.htm

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