ABC放送のウェブ動画戦略第1弾「Squeegees」が馬鹿過ぎる件(TV番組だけ作ってた方が…)

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Tech Crunch Japanese の記事
http://jp.techcrunch.com/archives/abc-kicks-off-made-for-web-video-strategy-with-squeegees-maybe-it-should-stick-to-regular-tv
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squeegees-screen.png

TV局のお偉いさんって何考えてるんでしょう? …と首をかしげてしまうのが、今日ディズニー傘下ABCテレビジョングループのウェブ動画専門スタジオ「Stage 9 Digital Media」が始めた新番組「Squeegees(スクイージーズ)」(YouTubeABC.comで見れる)だ。

この3分半のコメディは「アホ」の一言に尽きる。主人公はビルの窓拭きをやるドタバタのクルー。演技もひどいがジョークもしょうもない。最後は全裸 の窓拭き男(理由は聞いてくれるな)が保育園の窓の外にぶら下がって授業中の子どもたちがキャーキャー騒いで終わるのだ(写真上)。ABCも絶対テレビで は流さないだろう(と思いたい)。ではなぜウェブで見せるのか? これも意味不明だが、ABCはYouTube動画を埋め込み不可にしている。きっとみん なに番組を広めて欲しくないのだろう。

あんまりABCに厳しく書くつもりはないが、Stage 9開局の報道発表で1点気になるのが『Squeegees』に関するBarry Jossenの発言。Stage 9のゼネラルマネージャーは「アカデミー賞を受賞したショート作品のプロデューサー」とある。

ニューメディアの分野にはUGC(ユーザー生成型コンテンツ)が溢れていますが、オーディエンスが求めているのは UGCとは別の表現形式による質の高いエクスペリエンスです。当社ではそうした視聴者ニーズに応えていきます。この創造の前線から当社が得るのは、新たな フランチャイズの開発、才能発掘・育成、そして何よりも親会社(ABC)が番組制作の標準としている素晴らしいストーリーと製作バリューを備えた、より優 れた連続番組製作のスタンダードを広げるチャンスです。

“より優れた連続番組製作”? ―勘弁してくれ。

ABC傘下のStage 9では現在、この他に20件のウェブ番組を製作中だ。きっと1つぐらいは本命の作品が混じってるだろうけど、この『Squeegees』はベストな1歩で はないし、また“優れたスタンダード”を広げてもいない。こんな半分生煮えな番組見るぐらいなら、まだRocketboomとかWallStripとか、Pop17の方がいい。 ABCには理解できないかもしれないが、ウェブ動画の世界では製作バリューより信頼性が大事なのだ。

“質の高いエクスペリエンス”の道を探求するのは構わないが、やるなら途中で投げ出すことはできない。何故ならそれはABCだか ら。誰かが自宅で撮った作品よりABC傘下のStage 9が関わるんだからきっと良い番組だろうと、世の中の人たちはより多くのことを期待する。ウェブの人たちに「動画は本当はこうして作るんだよ」と教えるつ もりなら、初っ端デビューを飾る作品はもっと他の番組を選ぶべきだったと思うなあ。

テレビ局がネット用にコンテンツを制作しても、ネットの需要に合わないものができるのは、日本でも海外でも同じことのよう。

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